――見放されたものとか、見捨てられたものというのに、何かを重ねちゃうんでしょうね。それで、拾って人目に付くところに置き直して、持ち主が戻ってきて気が付いてくれるといいな、と思いながら黙って去っていくオレ、みたいなのがあるんですよ、われわれの側には。
清野 でも、たとえばトワイニング紅茶の缶にしたって、じゃあ、何をするのかって、愛でるわけでもなく、部屋の片隅でほこりをかぶっているだけなんですよ。
――そうなんです。だから、あくまで思い出であって、責任だって取れないんだよ、どうせそうですよ。
判る。
その思い出のための触媒なんだよね。
恋愛は男は個別保存、女は上書き保存、と言うのと同じで、色々な物事を思い出すための触媒でもあるわけで。
渋井 とはいえ、周りの男性を見ても、ものを捨てられない人は確かに多いです。一方で育てるのが得意な人は男性に多い気がします。私も含めて私の会社の女性たちはみんな、植物を育てるのが苦手。
清野 あ、面倒くさいですよね。
渋井 そう。植物は男の人が育てています。先日、近所の美容室でも、やっぱり男の人が育てていると聞きました。女の人は枯らしてしまうのだとか。
清野 それは働く女にわりと顕著なのではないでしょうか。そんなことまで、いちいちやってられるか、と。
渋井 「自分にしか興味がない」もしくは「一番興味があるのは自分に関する事柄」という女性の特性が、思いもかけないところで顕在化してしまった感があります。
清野 優先度の問題もありますよ。
渋井 優先度? 私はモノを捨てられない男性が多いのは、彼らが何万年も続けてきた家族を養うという役割によって育まれた「1度手に入れたモノを手放したくない」という所有欲によるものだと思っていましたが・・・・・。
これはあるなあ。
何か以前サボテンを育てられない女、と言うような話を聞いたことがあるんだが、ネタだろう、と思っていた。
>「自分にしか興味がない」もしくは「一番興味があるのは自分に関する事柄」
あー、お姫様思考ね、というか、常に自分が主人公でなきゃイヤ、という。
いやあ…………どんな女の子でもそういうのあるからね…………
うん…………